先生が生徒を監禁して




「――……せ、んせ……いや、あの……」


「はい?」


じれったい。

拳を握る。緩め、笑顔を保つが、ああ、もう。


「――……せ、んせ……いっし、ょ……に……側に……」


「今日は失礼しますかね」


「まっ」


背を向けた状態からまた戻る。


「待って……」


弱々しくとも確かに聞いた声。


待っての言葉。


それはつまり、彼女は俺を求め始めたこと。


歓喜に浸らなかったと言えば嘘になる。


だがあくまでも、表面上は平静に。いつもの俺を演じ続け。


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