眠れぬ夜は君のせい

├1輪の赤いバラ

それ以来、アタシは彼と関係を続けている。

躰だけの関係。

俗に言う、“セフレ”ってところかな。

会社が終わった後、いつものところで待ち合わせる。

「待った?」

「いえ」

地下の駐車場に、アタシたちの声が響く。

「じゃ、行こうか」

彼の車の後部座席に乗る。

助手席だと、見えてしまうから。

そしたら、アタシたちの関係がバレてしまう。

そうなると、同僚たちからの視線や陰口は痛さを増す。
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