眠れぬ夜は君のせい
「つけてもいい?」

彼が聞いてきた。

「…えっ?」

「跡、つけてもいい?」

キスマーク、か。

「いいよ、つけても」

アタシが返事すると、彼の唇が胸に触れる。

チクッと、一瞬の痛みに躰が震える。

彼の唇が離れる。

「アリ…」

「……っあ!」

触れられることによって、震える躰。

彼の背中に、爪を立てる。

アタシのものだと言うことを示すように。
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