眠れぬ夜は君のせい
「何だか楽しそうね」

その声に視線を向けると、
「瑠香」

瑠香だった。

「おもしろいメールでもきたの?」

ディスプレイを覗き込もうとする瑠香に、
「お前には関係ないだろ」

携帯電話を閉じると、ポケットにしまう。

「そもそも何の用だ?

何の用でお前はここにいる?」

俺が聞くと、
「ヒマだから桜介のバイト先にやってきたんだけど、終わったんなら仕方ないわね」

背中を見せた瑠香に、
「送ろうか?」

そう聞いた俺に、
「間に合ってます」

背中で瑠香が返事した。
< 217 / 252 >

この作品をシェア

pagetop