眠れぬ夜は君のせい
。+゚桜子Side゚+。

「ずいぶんと遅かったじゃないか」

玄関にいたことに、驚いた。

さらに驚いたのは、彼の躰からにじみ出ているオーラ。

「……そう、かしら?」

声は震えるけど、平静を装う。

「今日は7時に終わるんだろ?

もう10時過ぎてるじゃないか」

怖い…。

「7時からのシフトの子が、休んじゃってね……私、やってたの」

とっさに思いついたウソを並べた。

「そう言えって言われたのか?」
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