眠れぬ夜は君のせい
何を言ったのか、わからなかった。

「神代桜介に、言われたんだろ?」

耳を疑った。

どうして、健次さんの口から桜介くんの名前が?

私の心を見抜いたのか、
「バカなヤツだよな。

桜子、知ってたか?

昨日お前が風呂入ってる時にあいつからメールがきたんだよ」

「……見た、の?」

「見たと言ったら?」

コノヒトハダレ?

目の前にいる人が、わからなかった。

健次さんが私の両肩をつかんできた。
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