眠れぬ夜は君のせい
「イッ…」

あまりの痛さに、声を忘れそうになる。

次の瞬間、天井と健次さんの顔が目の前にあった。

「……やめ、て」

震える声が、かっこ悪い。

「やめてじゃないだろ?」

「やだっ…!」

彼の手が、躰に触れる。

荒っぽくて、ゴツゴツとしたその手。

「やめて!

離して!」

叫んでも、離れてくれない手。

「ずっとこうしたかったんだろ?

嫌じゃないくせに、よく言うな」

バリッ…
< 226 / 252 >

この作品をシェア

pagetop