眠れぬ夜は君のせい
自分が吸血鬼であることを呪った。

わたしは、どうして吸血鬼に生まれてしまったのだろう?

生まれるなら、人間として生まれたかった。

人間として、この世を生きたかった。

吸血鬼になりたくなかった。

人殺しになりたくなかった。

ただ、生きたかった。

人間に生まれて、人間として生きたかった。

そして、愛されたかった。

――あげは…

わたしを世間に公表すれば簡単なことなのに。

指名手配中の吸血鬼だと、世間に言いふらせばいいのに。
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