ありのまま、愛すること。
それが、私の進む方向を外食産業に決定づけた、すべての原点だったんです。

しかしながら不思議なのは、「お店をやろう」という発想ではなく、「外食産業をしよう」という発想だったこと。

もちろん店は持つんだけれども、店づくりへの興味ではなく、外食を通して出会い、ふれあい、安らぎの空間を提供したい、そんな世界をつくりたいという思いだったんです。



帰国の飛行機で、私は胸を熱くしていました。

そして、3月末に帰国し、母の墓前にいち早くそれを報告しました。



お母さん、僕はとうとう、やることが決まった。

外食産業の社長になるんだよ─。

< 103 / 215 >

この作品をシェア

pagetop