ありのまま、愛すること。

病室で健康体のわが子と対面したとき、私は大声で万歳三唱してしまいました。

そして、妻の安らいだ、誇らしげな笑顔を見たとき、また涙が止まらなかったのです。

「洋子、よくやった、ありがとう……」

あとは言葉になりませんでした。

その晩、私は日記に次のように綴りました。




「愛する洋子、元気な男の子を産んでくれて、ありがとう。心を込めて、何度も、何度も、ありがとう、を言います。こんな気持ちにさせてくれたのは、僕をこの世に送り出してくれた父と母のお陰です。お父さん限りなく感謝します。自分の命を犠牲にして僕を産んでくれたお母さん、ありがとうございました。僕の母親役をしてくれた糸おばあちゃんにもお礼を言います。
堂々と胸を張って父親を名乗れるのは、わがワタミフードサービスのメンバーが僕を支えてくれたからこそです。メンバーに限りなき感謝、感謝。
息子の名前は、『男子は将たるべし』の信念に基づき、『将也』に決めよう。『渡邉将也』。語感も悪くない。将也よ、大いなる人生を、勇気と希望と誇りを持ち、力強く歩き続けなさい」