ありのまま、愛すること。
先日、郁文館から、私たちがグループでサポートするカンボジアの孤児院「夢追う子どもたちの家」に高校1年生の男子二人が研修に行きました。帰国後、二人は理事長室を訪ねてきました。

ふつう、高校生だったら理事長室なんて、怖くて面倒くさくて、入らないだろうに、トントンとノックする。

「うん、どうした?」

と言って招き入れると、カンボジアに行って感じたことを話し始めたんです。

カンボジアで孤児院の子たちと関わって、一般の子たちとも関わって、ゴミ捨て場で生活しているような子とも関わって……。

「孤児院の子どもは本当に明るいし、幸せそうだし、優しくて元気だし……あの子たちをそういうふうに育てたのは、理事長なんですね。だから僕は、理事長に心からお礼を言いたくて、来たんです」

そう一気にしゃべって涙ぐんでいました。

私もついグッときたんですが、そんな彼らの成長を見ているときが、いちばん嬉しいものです。

彼らも行かなければわからなかったと思うし、行かせてよかった。

そう思えるのが教育の醍醐味でしょう。

そして、それは、ニューヨークのライブハウスで感じた、肌の色も違う人たちが同じ空間で笑顔でいることの感激、それとまったく変わらないことでもあります。

「人間はなんのために生まれて、なんのために生きるのか」

そこにつながっていくんです。

それはつまり、たくさんの「ありがとう」を集めながら、人として成長していくこと。

そしてその、成長のお手伝いをするのが、最も素敵な仕事なのだという価値観です


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