ありのまま、愛すること。
私が野菜の育て方の要諦で胸にズシンと来たところは、

「成長のプロセスを温かく、毎日何回も見守る」

と表現したところです。

「親」という漢字を考えます。

「立っている木の上で見守る」と私は読みます。

本当は愛情いっぱいだから、手を取り、足を取り、「あっちに行ってはいけないよ」「こっちに行ってはいけないよ」と言いたいところをグッとこらえ、木の上から見守るのです。

本当はいっしょに行動し、世話してあげたいのをグッと我慢して、一人で歩かせるのです。危険な状況もじっと見守り、子どもが飢えてもじっと見守り、これ以上は無理だと判断したときに助けるのです。

自分勝手に子どもを愛する親の身勝手さが、子どもをダメにします。

表現したい愛を子どもの自立のためにグッと抑える「忍耐」こそが子どもをいい子に育てるのです。

ご両親にお会いし、この子は伸びるなぁと感じる子の父親とは、

「背中で生き方を教えつつ、愛を表現」

できる方であり、母は

「やってあげるよりも自分でさせることが、愛であること」

を知っている方です。


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