ありのまま、愛すること。
だから、今のカンボジアの学校には教師がいません。

小学校を卒業して、すぐに先生になる子もたくさんいます。

カンボジアの進学率の実態は、小学校に入学した1000人のうち、卒業できる子が、たったの69人です。

理由は、貧困ゆえに家事労働に駆り出されてしまうことや、年間の教育費1ドルが払えないことにあります。

たった1ドルが払えなくて学校に行けないたくさんの子どもがいる現実に、胸打たれ、なにかを始めなければと、心がざわつきました。小学校を卒業した69人のうち、中学校に入学する子は48人です。21人は進学を諦めます。

中学へ入学した48人のうち、卒業できるのは12名。うち高校入学者は6名。

そして、高校を無事卒業できる子はというと、たったの二人です。

その背景には、小学校を卒業しても、働く場所も、仕事もない現実があります。

勉強してもしなくても、農業を引き継ぎ、昔と変わらぬ生活の繰り返しがそこにあります。カンボジアには、政治・経済の問題が山積みです。

国が発展していくためのインフラも、まったくと言っていいほど整備されていません。

ほとんどの子どもたちは卒業せず、学校を去っていきます。

この報告を聞いたとき、私たちの活動は本当に意義があるのだろうかと考えてしまいました。

そこで、子どもたちに聞いてみました。


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