ありのまま、愛すること。
まずは、SAJで建てたロニャンニック小学校の4人兄弟(7~15歳)。

両親はエイズで7年前に相次いで死亡。

最初、曽お祖母さんに育てられ、今は、お母さんのお兄さんに育てられています。

先生によると、1年前からこの4人は笑顔がなくなったそうです。

1年前におじさんが再婚、そのおばさんからのいじめに遭っているからだと。

4人兄弟と話をしました。

「施設に入れてください」

そう話をしたきり口を閉ざしてしまいます。

なにを話しかけても会話にならない。

とてつもなく暗いのです。

両親が亡くなり、兄弟4人で何とか生きてきたのでしょう。

学校以外の時間は水汲み、牛糞拾い、砂糖づくり。

彼らの表情から「夢」や「希望」などというものは、微塵も感じられませんでした。

プノンペンのゴミの山、スティミンチェイへ。

見渡す限り、ゴミの集積所です。ゴミ収集車が、入れ替わり立ち替わりゴミを下ろしていきます。

車からゴミが落とされるやいなや、ゴミの山を登っていく小さな子どもたちの群れ。

ある子は5歳。

ある子は7歳。

残飯からパパイヤの種を拾う子もいれば、黒いゴミ袋だけを集めている子もいます。

5歳の子は、1日働いて50円、少し大きな子は200円くらいになるそうです。

手を見ると、5歳の子どもの手がまるで老人のようでした。ゴミの化学物質で、手の皮膚が悲鳴をあげているのです。


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