ありのまま、愛すること。
生まれたという結果だけがあって、それ以外の結果はない、あとは生きるというだけのこと。

生まれたという結果はあるけれど、死ぬという選択肢などないのです。

そう、生きるしかないんです。

そのことだけは、人間はみな理解しなければならない。

自分の命だから、死ぬのも自分の自由ということにはなりません。

自分の命には、すでに何十万というDNAが連なっている、そうして生かされている。

なによりも親の愛情が重なって、ここに生きているんです。

人間には、自分の命を自分でどうにかする権利なんて、決してないんです。

人間は、人間性を高めるため、人として成長するために生まれてきたと、私は考えています。

そのためのお手伝いをする「教育」という仕事は、尊いし、やりがいのある仕事だと意義を感じていますし、教育に私が携わるのは、必然だったのではないかとも、考えているのです。
 

あなたが命と引き換えに産んだこの私は、一生懸命生きています。

あなたが命と引き換えに産んだことを、誇りに思えるような生き方を、私はしています。


あらためて、母にはそう伝えたいと思っています。

母が誇りに思えるようなこと。

それは、私がより多くの方の幸せに関わること─。

そのために何ができるのかという、その一点のみで、私は自分の行動を決めています。

母にはそんな私を、誇りに思ってくださいと、伝えたいんです。

毎日話しかけていますから、間違いなく聞いてくれているでしょう。

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