ありのまま、愛すること。
2日後の月曜日から、透析治療が開始されると、父が確か言っていたはずだ。

病室を出て、私はナースセンターに顔見知りの看護師の顔を探した。

ところがこんなときに限って、ナースセンターはもぬけの殻である。

午後4時のこの時間帯は、比較的、看護師はいるはずなのに……。

私は不安がよぎった。

おかしい、なにか、なにかが、いつもと違うんだ─。

そこに一人の看護師が、私の顔を見つけると駆け寄ってきた。

「美樹くん、ついてきて」

私の手を取るように、看護師は早足で廊下を誘導した。

エレベーターに乗った。

何階で降りたのかまでは、覚えていない。

着いた先には、分厚い扉があって、それが開くと廊下があった。

そのベンチに、父も祖母も、姉もいた。

みんなその病室の外にいて、看護師たちがその前をバタバタと走り回っていた。

「何が起きたんだ? いまお母さんに何が起きているの?」
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