山荒の鳴く夜
不服そうな顔をしながら、椿は納刀する。

…確かに、自分の気の短さは自覚している。

『長州派の沖田 総司』

その異名で呼ばれるようになってどのくらい経つだろうか。

本人はあまり好ましく思っていないのだが、他人は色々と言ってくれる。

流派も同じ天然理心流、得意技も刺突。

何より端正な顔立ち。

性別さえ同じならば、沖田 総司と瓜二つとまで言われる。

沖田は志士の宿敵だ。

そんな者と同列に扱われて気分を害して苛立つほど、その短気ぶりも良く似ていると言われる。

…当の沖田が病没してから、指摘される事は特に多くなっていた。

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