1ミリのキセキ
母さんは
すごく優しくて…
女手一つで育ててくれて…。


小さな頃からピアノが好きだったから…
半分賞金目当てでコンクールに出たら優勝しました。


たまに外でコッソリ弘兄に会ったりして…


裕福ではありませんでしたけど
毎日が楽しかったんです。


…でも…。
僕が中学三年の頃…
車にひかれて
弘兄は死にました。


それから…僕の人生は一変したんです。


あの家の中で死んだのは…
恭夜だったんです。


あの家族たちは
弘兄の死を受け入れることが出来ませんでした。


僕は…半分無理矢理
あの家の養子になることになったんです。


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