午睡は香を纏いて
さっき水宝珠を固体にできたから、あたしにはそういう名の力がある、のかもしれない。
だけど、使い方なんてわかるはずがない。


「ああ。できるもののはず、なんだ。だから、カサネに知識が欲しい。サラの持っていた、巫力の知識が」


机の上の二重の円が目に入る。
いくつか書きこまれた矢印を実現させるには、サラが必要なんだ。


「知識っていっても あたし、本当に何も覚えてないんだよ」

「分かってるさ。そこで、だ。サラの両親に、会いに行かないか?」

「サラの両親?」


思いもよらなかったことを言われて、ぽかんとする。


「サラに血を分け与えた、一番近しい者たちだから、魂の奥底に眠るサラの記憶と引き合うんじゃないか、と思う。
彼らに会えば何か変わるはずだ」


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