午睡は香を纏いて
「引き合うって、サラだったときの記憶が戻るの?」

「完全に戻る、なんてことはないけどね。ただ、欠片であっても、サラの記憶が戻ればそれが呼び水となって、巫力を扱えるようになるだろうと俺は考えてる。
神学では、修行で得たものは魂に積まれている、と言われている。
それが真実であれば、カサネは気付いていないだけで、サラと同じだけの知識と力を持っていることになるんだ」

「きっかけさえ掴めたらいい、ってことだよね。
でもそれで本当に、あたしがサラのように巫女の力を使えるようになるの?」

「俺の予測だし、今は多分としか言えないな。何しろ前例がないから、考察のしようがない。
もしかしたら、下級巫女並みにしか力が発露しないかもしれない。
しかしそうであっても、全く使えないよりはいい」


ゼロよりはマシ、ってところか。
それでも日常生活の手伝いしかできない今よりは、役立つ存在になれるかもしれないよね。それに、


「多少でも巫力が使えるようになれば、命珠をはがせるかもしれない?」


と訊けば、カインは頷いた。


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