午睡は香を纏いて
「は? ちょ、何!?」


どういう意図があってこんなことを? 
もがもがと暴れていると、明るい声がした。


「ただいまー、カサネ!」

「え、あ! レジィ!?」


わしゃわしゃと大きな手の平で頭を撫でられて、誰だか気付く。
顔を上げれば、金眼を三日月のように細めたレジィが笑っていた。


「うわ! お帰りなさい! いつ帰って来たの?」

「夜中。いい子にしてたか?」

「うん! 何ともなかった? 怪我とかしてない?」

「してないしてない。一緒に行った奴らもみんな元気」

「そっか、よかった」

「心配してくれたんだ? ありがとなー」

「……外に出られないんだけど」


手の平に頭を揺らされていると、ふいに不機嫌そうなカインの声がした。
通常時より段違いに低い声にびくりとなる。


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