午睡は香を纏いて
顔色がよくないと心配するフーダとライラに笑顔を向け、朝の仕事を終えた。
それからしょぼしょぼした目を擦りながら、カインのいる離れへ向かった。

いつものように木戸を叩こうとして、手が止まる。

どんな態度でここに入ればいいんだろうか。十数時間前のことを思うと、気まずすぎる。

しばらく立ち尽くしていたものの、このまま突っ立っていても始まらない、と気合を入れて木戸を叩いた。

相変わらず、返事はない。
いつも通り、とも言えるけど、もしかしたら怒っていて返事をしたくないだけかも。

あ、ダメだ。
そんなこと考えたら逃げ出したくなってしまう。


「あの、おはよー……うひゃ!?」


とりあえず入らないことには始まらない。俯きながらそっと中に入ると、がばっと抱き締められた。


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