午睡は香を纏いて
「なあ、カサネ。その、ここに座ってもいいか?」
どうしていいか分からないでいると、レジィが足元を指差した。
それからぎこちなく笑って、
「説明する。話すことは沢山あるんだ。長くなるから、さ」
と続けた。
説明してもらえば、彼のこの表情の理由も分かるだろうか。
あたしは、知らないということで、彼を傷つけているみたいだ。
それならその理由を知りたい。
何より、自分の置かれた状況を把握しないことにはどうしようもない。
こくこくと頷くと、レジィはその場に腰を下ろした。
「あ」
「ん? どうした? あ、腹減ったか? 先に食事にするか?」
「い、いえ、そうじゃなくて。あの……、よかったらこちら側に、来ませんか?」
レジィが座ったのは柵の外側で、藁は敷かれていない土がむき出しになったところ。
そんなところでの長話は、きついんじゃないだろうか。
あたしの座っているところはふかふかだし、というような内容をもぐもぐと言うと、
レジィはパッと顔を輝かせた。
「いいのか!?」
「あ、はい」
この人は、悪い人じゃない。
まだそんなに会話したわけではないけど、それは十分分かった。
なにより、この人はあたしに敵意や悪意を持っていない。
「じゃあ、失礼シマス」
あたしの腰ほどの高さの柵を、レジィはひらりと飛び越えた。
少し離れた藁の山に、ぽすんと座る。
胡坐をかいて、体を左右に揺らしながらあたしを見る。
「へへ。やっぱ優しいままだな」
「別に、そんなこと」
どうしてだろう。
こんな状況なのに、にこにこと笑うレジィの顔を、かわいい、なんて思ってしまった。
あたしって、危機感が薄いのだろうか。
どうしていいか分からないでいると、レジィが足元を指差した。
それからぎこちなく笑って、
「説明する。話すことは沢山あるんだ。長くなるから、さ」
と続けた。
説明してもらえば、彼のこの表情の理由も分かるだろうか。
あたしは、知らないということで、彼を傷つけているみたいだ。
それならその理由を知りたい。
何より、自分の置かれた状況を把握しないことにはどうしようもない。
こくこくと頷くと、レジィはその場に腰を下ろした。
「あ」
「ん? どうした? あ、腹減ったか? 先に食事にするか?」
「い、いえ、そうじゃなくて。あの……、よかったらこちら側に、来ませんか?」
レジィが座ったのは柵の外側で、藁は敷かれていない土がむき出しになったところ。
そんなところでの長話は、きついんじゃないだろうか。
あたしの座っているところはふかふかだし、というような内容をもぐもぐと言うと、
レジィはパッと顔を輝かせた。
「いいのか!?」
「あ、はい」
この人は、悪い人じゃない。
まだそんなに会話したわけではないけど、それは十分分かった。
なにより、この人はあたしに敵意や悪意を持っていない。
「じゃあ、失礼シマス」
あたしの腰ほどの高さの柵を、レジィはひらりと飛び越えた。
少し離れた藁の山に、ぽすんと座る。
胡坐をかいて、体を左右に揺らしながらあたしを見る。
「へへ。やっぱ優しいままだな」
「別に、そんなこと」
どうしてだろう。
こんな状況なのに、にこにこと笑うレジィの顔を、かわいい、なんて思ってしまった。
あたしって、危機感が薄いのだろうか。