午睡は香を纏いて
「ああ、いや何でもない。ババアは詮索好きでよくないねえ」

「ババアってそんな、凄く若いじゃないですか」

「あら、ありがとね。でも、どうだろうねえ?」


ふふ、と笑う。弧を描いた唇は艶やかで、流す視線も色っぽい。
果たしていくつなんだろうか。聞きたいけど、年を訊くのって失礼すぎるし。 
躊躇ったあたしに意味ありげに笑って見せて、シルヴェーヌさんは残りを飲み干した。


「話に付き合ってもらって悪かったね。さて、そろそろ部屋まで送ろうかね。もう夜も深いし、早く寝ないと肌に悪い」


カタンとグラスを置いて、ランプ掛けから灯りをとる。


「さあ、行こうか」

「は、はあ」


先を行く背中を追おうと椅子から立ち上がった。
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