午睡は香を纏いて
誰もいない部屋に入り、カウチにごろんと体を転がした。
ふうー、と大きなため息を一つついた。


「部屋を出ただけで、色々ありすぎ……」


不可解なことや、驚愕したことが続けざまに起きたような気がする。
まずはそれを整理しなくては。
ふと、壁に掛けられたランプを仰ぎ見た。ほんわりと部屋を照らしてくれているのは、油をさしてくれたお陰だけれど、これさえ切れなければ、部屋から出なかったのに。
そしたら、何事もなく一晩を過ごしたのだろうし、あの不思議な占い師とも出会わなかったのだろう。


「あれ? もしかして油は故意に切れた、とか?」


余りにも熱心に占いを勧めてきたシルさんを思い出した。

シルさんとあの占い師は無関係なのだろうか?

実は二人は仲間のようなもので、あたしが部屋から出てくるように仕向けたのでは?

部屋の手入れはシルさんの仕事のようだし、油の切れる時間を見計らって調節することも可能だろう。


「ありえなくもない、かな……」


思えば、シルさんが去り際に残した台詞も気になる。
あれも、占い師の言葉とどこか重なるような気がするし。

< 247 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop