午睡は香を纏いて
「ぶひゃ。ひゃ、ひゃい。あ、あのひゃ」


頬を摘む人の顔を見上げて、気になっていたことを思い出した。
セルファは指を離し、ん? と目を開く。


「なに? カサネ」

「目尻の花……」


呟くと、ああ、と花が咲いていた辺りを指でなぞった。


「ちゃんと消えてるよね? 肌地を濃く塗って隠してるんだ。
あれ、気に入ってるんだけどさ、騎士団は墨入れは厳禁なんだって」


不満げな口ぶりに、やっぱり入れ墨だったのか、と思う。
カサネはあれ好き? と訊かれて、頷いた。


「あれがないと、セルファって感じがしない。
すごく綺麗で、似合ってるし」

「はは、そっかー。じゃあ訪問が済んだらすぐに元に戻すとするかな。
さ、ゼユーダの巫女姫に化けてもらわなくちゃいけないんだから、さっさと食事してきて」

「あ、はい」


手早くパンとスープの朝食を終え、セルファに手渡された衣装に袖を通した。


のだったが。



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