午睡は香を纏いて
「う、え……は?」


姿見の前で、しばし固まった。


「カサネ? ちゃんと着替えたー?」

「あ、あの、セルファ? これ、あのなんだかあたしには派手っていうか……」


ドアの向こうに待機している人に、うろたえながら答えた。


「ああ、ゼユーダ国の巫女装束は少し個性的なんだよねー」


個性的といえば確かにそうなんだけど、あたしが気にしているのは、体のラインがめちゃくちゃ明確化されているってところなんですけど……。

目の前の己の姿をまじまじと見つめる。

光沢のある、羽のように軽い布で作られたドレスは、さらりとした質感でとても肌触りがいい。
しかし、厚みがないせいか透過性があり、着ている人の体つきを浮き彫りにしてしまっているのだ。
限りなく平原に近い胸元だとか、肉付きのよくないお尻だとか、あたしの貧弱な体つきが見事に晒されてしまっている。


「こ、これって、恥ずかしい、かも、しんないんだけど」

「大丈夫だって。オレがこれから手を加えるんだしさー。
ねえ、もう着たんだよね? 入るよー」

「ちょ、待っ」


止める間もなく、セルファはドアを開けて入ってきてしまった。


「うん、全然アリ。この衣装は黒髪に合うんだよねー」

抱えていた、化粧品などが入った小箱をあたしの近くに置く。
観察するようにじろじろ見られて、できることなら消え入ってしまいたい、と思う。


「は、はずかしいって。こんな服、着たことないし」

「馴れてしまえば大丈夫だって。ほら、いいからきちんと立って。

……うん、ここを少し詰めるか」

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