午睡は香を纏いて
「よかった。たくさんありますので、どんどん召し上がって下さいませ」


ライラさんが頬を染めてにっこり笑った。


「すごくおいしいですっ。ええと、これは何のスープなんですか?」

「干し肉とレンズ豆のスープです。この辺りの牛は質がよいので、干し肉にしても味がいいんですよ」

「旨いよなー、これ。ライラ、おかわりってまだある?」


いつの間にかレジィはお椀を空にしていて、丸パンを齧っていた。


「はいっ。あの、カサネ様もいかがですか?」

「あ、ありがとう。是非お願いします、ライラさん」


急いでお椀を空にして、手渡した。
と、受け取ったライラさんがくすくすと笑って、


「ライラで結構でございます。カサネ様って、親しみやすいお方なんですね。
私のような下々の者にまでお優しくして下さって」


勿体無いことです、と続けた。


「え? 普通、ですけど」


少しがっつきすぎてたかな、と恥ずかしさを感じていたあたしは、予想外の言葉にきょとんとした。


「そんなことございません。
サラ様はお優しい方だとお聞きしておりましたが、噂通りですわ。では、少々お待ち下さいませ」


嬉しそうに言って、ライラは小屋を出て行った。



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