午睡は香を纏いて
「サラは、見たカンジが大型成獣って雰囲気だったもんなあ」
「あたしは適正体重で……え?」
自分への些細なフォローを口にしかけていたのを、噤んだ。
「カサネのいた世界には、獅子って、いた? 気性の荒いでっかい猛獣なんだけど。
サラはそれを思わせたんだよなあ」
「獅子は知ってる、けど。でもそれって、女の人を喩えるときには余り使わないんじゃないの?」
獅子みたい、って。もしかして、サラって女子プロレスラーみたいな人だったんだろうか。
うん、ありえるかも。あのゼフさんを助けたこともあるみたいだし、筋肉隆々の逞しい女性、とか、
……何か、あたしと全く違うタイプだけど。
「サラって、どんな人だったの?」
素直に、好奇心。自分の前世がどんな人間だったのか、気になる。
自分の前世(って言っても実感湧かないままだけど)について知れるのなら、知っておきたいし。
「んー? そうだなあ。獅子の皮を纏ってるうさぎみたいな女」
「は?」
「分かりにくいか。まあ、俺が勝手に感じた雰囲気だしなあ。
ヘルベナ大神殿の巫女姫……ってのは言ったか。
見た目はええと、長い金髪に、碧眼。肌は白くて、でも血色がよくて、紅いらずだったな。
とにかく綺麗だった。巫女姫に昇格するって決まった時は、肖像画を誰が描くかで、絵師たちに争いが起きたらしいぞ。近代一の美女だ、ってな。
迫力美人って言うのかな。ちょっと、いやだいぶ眼力が強くて、睨まれたら泣きそうになった。凄みがあってさ、マジで怖いんだよ、あれ」
何を思い出したのか身震いして、でも次にくすりと笑った。
「気が強くて、頑固。弱音を上手く吐けない意地っ張り。
ちょっと涙もろくて、照れ屋。
でもそれを隠すのも上手くて、だからあいつは周囲には完璧人間扱いされてた。
巫女姫としてはそれでよかったのかもしれないけどな。
崇拝している奴も大勢いたし。
でも中には完璧すぎて気持ち悪い、なんていう奴もいて、それは後で俺が少し言い聞かせてやったかな。でも、それもサラにバレて、ぶっとばされたっけ。
そうそう、サラは手が早くて、何度も蹴倒されたんだよなー」
「あたしは適正体重で……え?」
自分への些細なフォローを口にしかけていたのを、噤んだ。
「カサネのいた世界には、獅子って、いた? 気性の荒いでっかい猛獣なんだけど。
サラはそれを思わせたんだよなあ」
「獅子は知ってる、けど。でもそれって、女の人を喩えるときには余り使わないんじゃないの?」
獅子みたい、って。もしかして、サラって女子プロレスラーみたいな人だったんだろうか。
うん、ありえるかも。あのゼフさんを助けたこともあるみたいだし、筋肉隆々の逞しい女性、とか、
……何か、あたしと全く違うタイプだけど。
「サラって、どんな人だったの?」
素直に、好奇心。自分の前世がどんな人間だったのか、気になる。
自分の前世(って言っても実感湧かないままだけど)について知れるのなら、知っておきたいし。
「んー? そうだなあ。獅子の皮を纏ってるうさぎみたいな女」
「は?」
「分かりにくいか。まあ、俺が勝手に感じた雰囲気だしなあ。
ヘルベナ大神殿の巫女姫……ってのは言ったか。
見た目はええと、長い金髪に、碧眼。肌は白くて、でも血色がよくて、紅いらずだったな。
とにかく綺麗だった。巫女姫に昇格するって決まった時は、肖像画を誰が描くかで、絵師たちに争いが起きたらしいぞ。近代一の美女だ、ってな。
迫力美人って言うのかな。ちょっと、いやだいぶ眼力が強くて、睨まれたら泣きそうになった。凄みがあってさ、マジで怖いんだよ、あれ」
何を思い出したのか身震いして、でも次にくすりと笑った。
「気が強くて、頑固。弱音を上手く吐けない意地っ張り。
ちょっと涙もろくて、照れ屋。
でもそれを隠すのも上手くて、だからあいつは周囲には完璧人間扱いされてた。
巫女姫としてはそれでよかったのかもしれないけどな。
崇拝している奴も大勢いたし。
でも中には完璧すぎて気持ち悪い、なんていう奴もいて、それは後で俺が少し言い聞かせてやったかな。でも、それもサラにバレて、ぶっとばされたっけ。
そうそう、サラは手が早くて、何度も蹴倒されたんだよなー」