双子月
鏡の迷路は、学園祭にしてはクオリティの高そうなモノだった。

一体どこからこんなに大きくて大量の鏡を手に入れたのだろう。


とりあえず入り口の受付の人に話しかけてみた。

すると、2人ずつペアで…と言われたので、4人で相談し合った。


「んと…やっぱ初対面同士の林先生が2人と組むのはまだ早いよね?
私が先生と組んで、美穂と光弘が組む?」


朋香なりに気を遣って考えた。


「私、朋香とが良いわ。
ここは女同士、男同士でいきましょうよ。
ペアの組み合わせなんて、他の場所で何回も変えれば良いんだし、ね?」


朋香は、美穂のこの提案に少しビックリした。

普段の美穂なら、先程の朋香の気遣いを呑むだろうに。


「僕は構わないよ、光弘君さえ良ければ。」

林先生は横目で光弘を見る。


「えぇ、ちょうど良かった。
迷路ならゆっくり時間をかけて話せますもんね。」

と光弘も快諾した。


「あ…皆が良いなら、じゃあそのペアで…」

朋香は、先生とこの2人が話してくれるのを望んでいたのに、いざこうなると何故か緊張してしまった。


(どんなコトを話すんだろう…)


気になるけど先生か光弘に後で聞けばイイやと思った。



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