華麗なる反抗期
「あ、あの……返事、待ってもらえますか」
出てきた言葉は、それだった。
『わたしもです』
って素直にいえないのは、あの存在が邪魔するから。
羽夢。
どうして、羽夢が出てくるんだろう。
浮かぶのは、羽夢の悲しそうな顔。
やめて。
やめて、そんな顔しないで。
「……そっか……やっぱり、いきなりってワケにはいかないか」
綾三月先輩が残念そうにいった。
「はい……すいません」
「でも、そうくると思ったから時間が必要だったんだ」
「へ?」
綾三月先輩は適当に屋上のベンチに座る。
先輩が手招きするので、わたしは先輩の隣に座った。
「僕も、本気だから。うさちゃんに振り向いてもらえるように頑張る」
「えッ……」
そこまでわたしのことを思ってくれてたの……?