苦しみの(涙)
「りゅうじゃじゃなくて、龍轍(りゅうしゃ)だ。」
りゅうしゃ……。
立っていることさえ困難なほどの痛みの波がきた。
りゅうしゃ……。
何度も何度も頭の中で名前が反響している。
本当に倒れてしまおうとして、
背中に熱を感じた。そして、そのままくるまれる。
「龍樹…。俺はずっとお前を探していたんだぞ。そして、やっと見つけた、迎えに来た……。
いっしょに帰ろう。」
やっと抱き締められてると気付いた。
だけど嫌だと感じない。むしろ、懐かしいと感じる。