苦しみの(涙)



「りゅうじゃじゃなくて、龍轍(りゅうしゃ)だ。」



りゅうしゃ……。





立っていることさえ困難なほどの痛みの波がきた。




りゅうしゃ……。

何度も何度も頭の中で名前が反響している。





本当に倒れてしまおうとして、



背中に熱を感じた。そして、そのままくるまれる。



「龍樹…。俺はずっとお前を探していたんだぞ。そして、やっと見つけた、迎えに来た……。


いっしょに帰ろう。」




やっと抱き締められてると気付いた。


だけど嫌だと感じない。むしろ、懐かしいと感じる。











< 46 / 152 >

この作品をシェア

pagetop