泣き虫Memories
信号が青に変わり、車は再び動き出した。
『僕ね、サンタさんに頼んでも貰えない、欲しいものがあるんだ。なんだと思う?』
一息ついているママに尋ねた。
ママは少し考えて、分からないと首を横に振った。
『あのね。僕、ママのそのマフラーが欲しいんだ。』
『え?これ?』
ママは予想外だというようにびっくりしていた。
『うん。だって、ママのマフラー、ふわふわでいい匂いなんだもん。』
いつも羨ましく思ってた。
貸してくれたときに、ふわりと香った洗剤のいい匂い。
ふわふわで、あったかかった。
すると、ママはくすくす笑いながら、
『確かに、それはサンタさんには頼めないね。
いいわよ。ママからは、マフラーのプレゼント!』
僕の頭を撫でて言った。
『でも、ママのじゃ長すぎて楓には使えないわ。
今度楓のマフラー、編んであげる。』
『本当に!?やったぁ!』
後部座席で喜ぶ僕の声を聞いて、運転席のパパが、
『楓だけずるいなぁ。パパのはないのか?』
と、ハンドルを握りながらすねたように言った。
『しょうがないなぁ。じゃ、家族みんなでお揃いにしようかしら!』
それは楽しい時間だった。
このあと、大好きな家族がバラバラになることなんて、誰一人として知らなかった。
キキィーーーーー!!
耳障りのような、不快な音がぼくの耳を裂く。
視界は回り、気持ちが悪い。
ドォーーーーン!!
強い衝撃が、僕を襲う。
その瞬間、僕は意識を失った。
『…ん?』
目が覚めた。
外の灯りで薄暗い車内。
身体中が痛い。
それに加え、上に何かが覆い被さっているような、重みを感じた。
何だろう…。
身体を少し捻って見ると、
ママだった。
『ママ!?』
返事はない。ぴくりとも動かない。
手を回して、背中を叩いた。
温かい何かに触れた。
それは、マフラーではなくて、でもマフラーのような赤だった。
湿った手を見た瞬間、僕の意識と記憶が失われた。
『僕ね、サンタさんに頼んでも貰えない、欲しいものがあるんだ。なんだと思う?』
一息ついているママに尋ねた。
ママは少し考えて、分からないと首を横に振った。
『あのね。僕、ママのそのマフラーが欲しいんだ。』
『え?これ?』
ママは予想外だというようにびっくりしていた。
『うん。だって、ママのマフラー、ふわふわでいい匂いなんだもん。』
いつも羨ましく思ってた。
貸してくれたときに、ふわりと香った洗剤のいい匂い。
ふわふわで、あったかかった。
すると、ママはくすくす笑いながら、
『確かに、それはサンタさんには頼めないね。
いいわよ。ママからは、マフラーのプレゼント!』
僕の頭を撫でて言った。
『でも、ママのじゃ長すぎて楓には使えないわ。
今度楓のマフラー、編んであげる。』
『本当に!?やったぁ!』
後部座席で喜ぶ僕の声を聞いて、運転席のパパが、
『楓だけずるいなぁ。パパのはないのか?』
と、ハンドルを握りながらすねたように言った。
『しょうがないなぁ。じゃ、家族みんなでお揃いにしようかしら!』
それは楽しい時間だった。
このあと、大好きな家族がバラバラになることなんて、誰一人として知らなかった。
キキィーーーーー!!
耳障りのような、不快な音がぼくの耳を裂く。
視界は回り、気持ちが悪い。
ドォーーーーン!!
強い衝撃が、僕を襲う。
その瞬間、僕は意識を失った。
『…ん?』
目が覚めた。
外の灯りで薄暗い車内。
身体中が痛い。
それに加え、上に何かが覆い被さっているような、重みを感じた。
何だろう…。
身体を少し捻って見ると、
ママだった。
『ママ!?』
返事はない。ぴくりとも動かない。
手を回して、背中を叩いた。
温かい何かに触れた。
それは、マフラーではなくて、でもマフラーのような赤だった。
湿った手を見た瞬間、僕の意識と記憶が失われた。