Blood smell 2
「…?!」


木戸から溢れる光に
暗闇に馴れた私は目を細める


「…目ざめたか…。」

響き渡る
骨に響くような妖艶な声


「ダン…?」


逆光でよく見えないが
声や姿かたちで相手は想像できた


そして
ゆっくり木戸が閉まる


やはり立っていたのは
黒いマントに身を包んだ
銀髪の恐怖を感じるくらいに美しい
ヴァンパイア


「…捕えられた気分はどうだ?
下等生物…いや、人間…。」


その言葉には優しさなんて存在せず
視線はまるで刃物の様に私を突き刺す


「…なんで私があそこにいるってわかったの?」

「簡単だ。
お前の匂いを追った…。
下手に小細工なんてしたのはエバロッソの
指図だろうが、甘かったな。」


ふんっと
学園長先生をバカにするように
鼻で笑う


「学園長先生や愛子さんは無事なの?」


「人の心配より
自分の心配をした方がいいんじゃないのか?

これから、自分が何をされるのか
知っておきたいとは思わないか?」
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