Blood smell 2
シャンデリアに照らせれた
無機質ながらも
広々とした大きな部屋


入口から真正面の高砂には
宝石がちりばめられた銀製の玉座に座る
腰まで伸びるストレートの金髪の男


そしてその隣の
同じように宝石が光る金製の玉座には
短髪の銀髪の男


そして
玉座に伸びる漆黒の絨毯の
両端に立つのは
黒いマントに身を包んだ
様々な人種の男女



ただ共通している事は
そこにいたすべてが
マネキンのような完璧な容姿を持った
ヴァンパイアだという事


そして
その視線が
一斉に私に向かっている…



その突き刺さるような視線と
入り混じる殺気に
意識を手放しそうになりながらも


必死で耐えしのび
ダンの後をついて部屋に足を踏み入れた


一歩踏み出すたびに

体が引きちぎられる様な
重圧…



玉座まで20mもないのに
その道のりは
果てしなく険しく
遠く感じた
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