Blood smell 2
う…そだ…


そんな…



その狼の顔は今でもはっきり覚えている


最後に見た斎藤君の顔だった


『もっと早く
中野さんに会いたかった。』


そう言って
去って行った彼の
勇猛な後ろ姿


温かくて
ふさふさな毛並み


立派な牙
柔らかい鼻…



その全ては
教皇の足先で力なく持ち上げられ

無残に踏みにじられた


「やめて…やめてよっ!!」

思わず声を荒げる
でも
私の叫びを楽しむように
教皇は続ける


「悔しいか?哀しいか?
このライカンは皮をはいで
肉はコウモリどもに食わせてやった。

だが不味かったそうだ。」


ハハハ…

と教皇の高笑いが響いた
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