Blood smell 2
加奈が愚痴を零した時

教室のドアが開いて
噂の氷室先生が入室してきた


濃紺のスーツに
セルフレームのメガネ
亜麻色の短髪は
遅れ毛一本も残らず
オールバックで固めてある


切れ長の目から放たれる
鋭い視線と
すさまじい威圧感に
教室内がピンっと張り詰めた



「おはようございます。

さっそくですが先日出した課題のレポートを
提出してください。」


生徒たちがばらばらと
レポートを教卓に置いていく


私もそれに倣い
レポートを提出した時


ゾクリっ…



急に何かを感じて
思わず立ち止った



この感覚


どこかで感じた事がある…


これは…


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