魔法学園ユートピア
「正義の味方です!」

奈都が言い切る。

「ただの馬鹿。」

亜紀が言い切る。

「馬鹿?」

男が聞き返す。

「自分からは滅多に攻めない守りに徹するタイプ。

ただ、守りすぎて臆病な感じ。」

「臆病…」

「でもね、今からここに来る幸大は…攻めの一手ね。」


「2人は本当に信じてるんだね。」


「貴方は、何で他の2人と共謀してるんですか?」

奈都が訊く。

「僕を狼男と知ってもなお、僕を好きでいてくれる人がいるんだ。」

「彼女?」

亜紀が訊く。

「はい。

ただ、この2人に僕の部屋に監禁されたんだ。

僕は自分の部屋に戻ることも、彼女に会うこともできないんだ。」


「おい、何を余計な話をしてんだよ!」

ゴッ、

「ゲホッ!」

腹を殴られる悶絶する。

「お前らも今の立場わかってんのか?」


「お兄さんが必ず来ます!」


「はぁ〜。

まだ言うのか?

だったら、来ても手遅れな状況にしてやろうか?」


男が近寄る。

「中々の女だしな。」



コンッ、コンッ、


入り口をノックする音。

「ここは誰にもバレねぇはずだよな?」

「ああ。」

コンッ、コンッ、

「もしかして、仲間からの連絡かもしれないぜ?」


「…、仕方ねぇ。

こいつらよりも、仕事を優先させるか。」


男が二月姉妹から離れ、ドアに向かった。
< 100 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop