魔法学園ユートピア
魔法準備室予定の教室


奈都と亜紀は手足を縛られ、床に転がっている。

部屋には3人の男。


「ここはどこですか?」

奈都が訊く。

「気がついた?

お姉さんも気がついたみたいですね?」

唯一優しそうな男が2人に話しかける。

「あんたら何者なの?」

「それは言えません。

でも、貴女たちに手出しする気はしません。」


ゴッ、

男は後ろから殴られる。

「何をやってんだよ!」

「ご、ごめん。」

「お前ら、手出ししないのはこいつくらいだ。

俺達3人は狼男だからな。」

「何の冗談?」

「ほ、本当です。」

「…、こういうあり得ないことって、幸大が絡んでるんでしょ?」

「その通り。

あの男が俺達に手出ししないように人質がいなくちゃな。」


「あの、私がこんなこと言うのも変ですけど、お兄さんがくる前に私達を開放してください。

そうじゃないと、貴方たちは…」

「は?

そうならないための人質だろ?

とにかく、お前らはそこで黙ってな。」




「2人とも、僕はともかくあの2人は強いんだ。

岡田先生でも無理だよ。」

「あんたはここの生徒?」


「うん。

あの2人は外国から仕事で派遣されたんだ。」


「そう。

でもね、幸大は来るわよ?」


「それにお兄さんはむちゃくちゃに強いんです。」


「そう、なんだ。

君達から見て、岡田先生はどんな人?」
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