魔法学園ユートピア
車が猛スピードで走り出す。

「学園長、魔法は使えますか?」

「学園から出たもの。

使えるわよ?」

「じゃあ、魔法で出して欲しいんですけど、
消火器を5つくらい。

後は小麦粉もお願いします。」



「何に使うの?」

亜紀が訊く。

「まぁ、逃走しやすいように、ね。」


学園長が言われた物を全て出す。

「お兄さん!

もう少しで石動さんの御自宅に着きます。」


「master!」

クリスが指差す先は大きな屋敷を囲む塀。


「学園長、何とかなりますか?」


「当たり前よ!」

学園長の手から光の球が飛び塀に当たった瞬間。


バシュウッ、


壁が丸く穴を開けた。

「クリス、行きなさい!」

学園長がクリスに突っ込ませた。



ざざざざざざざっ

植木の中を通り縁側に出る。


「い、一体、何事じゃ!」


縁側から見える席には、着物を着た石動とその横に両親と石動の祖父。

その向かい側にはスーツを着た男二人。


「何者じゃ!」

石動の祖父が怒鳴る。


「悪いけどあんたに、用はないんだ。

亜紀!」


「オッケー!」


バシュゥゥゥ、

消火器を噴射する。


辺りが白いもやに覆われた。
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