魔法学園ユートピア
「石動。」

幸大が石動に近づいた。


「先生!?」

「石動、三秒やる。

選べ。」

幸大が手を差し出す。

「ここを捨てて俺達と行くか、ここに残るか。

好きな方を選べ。」


「でも…」

「時間がない。

さっさと選べ。

後悔なんて後でしろ!」


スッ、


石動が幸大の手を掴んだ。


「っしゃあ!

行くぞ!」


石動をお姫様抱っこする。

「先生!?」

「着物はおよそ半歩から一歩を動かせる構造だ。

思いきり動かしても二歩分はない。


走れないだろ!」


「待て!」


スーツの男二人が目の前に立ち塞がる。

「人狼か?」

「ああ。

ここに来たこと、後悔しろ!」


「後でな。」

「何?」

「後悔は後でするから後悔なんだよ!」


ゴッ、

人狼の顔面に拳を撃ち込む。


「ぐはっ!」

「ただの人間ごときが!」


「ただの人間じゃねぇ。

魔法使いだ。


まぁ、今は使えねぇけどな。」


「貴様、よくも!」

殴られた人狼が幸大を睨む。


「やっぱり、抱き抱えたままの拳じゃ大した威力がでないか。


じゃあな!」


幸大は縁側に走った。


「クリス!

出せ!」

いつの間にかUターンしていたトラックの荷台に乗る。
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