魔法学園ユートピア
「種明かし?」


「そうよ。

最後の一撃必殺のところよ。」



「…。

ああ、あれか。


あれは摩天楼の力を俺の体に戻したんだよ。」

「戻した?」


「ほら、摩天楼って俺の魔力を使ってるだろ?


だから、魔法は使えなくても、魔法を魔力にして体に戻すのはできるだろ?

だから、摩天楼の魔力を俺の中に戻したんだ。」


「摩天楼はどうなりましたの?」

神宮寺が訊く。


「枯れた。

だから、魔力が回復したらまた咲かせてやるさ。」


「幸大君、魔法は明日には使えるようにしてくれるらしいわ。


魔法を封じていた道具を見つけて破壊したわ。


まさか、学園の窓の一枚がそんな道具だったなんてね。」


学園長が言う。

「窓を割ったんですか?」

「そうよ、まぁ、明日直すわ。」


こうして夜は老けていった。


「今日はお兄さんと寝たいです。」


「奈都、大胆なことを言うわね。」

亜紀が言う。


「え?」

奈都がキョトンとする。


「奈都ちゃん、私が教えてあげる。」


学園長が奈都に何かを耳打ちする。


「…!?」

奈都の顔が赤くなる。

「違います!

私はただ、その、部屋まで行くのが遠いので純粋な意味で言っただけで、


あ、でも、そのお兄さんが私と、と言うなら私も吝かではないかなって…」


「奈都、落ち着け。」




こうして、幸大の部屋で皆が休息を得た。
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