魔法学園ユートピア
「かつての魔女裁判などの異端審問により蔑まれ、虐げられた者達こそが、使うべき力!

選ばれた者にのみ与えられた力なのだ!」


「でも、私の大切な人達に手を出したら貴方は、

いえ、貴方たちは終わるわ。」


「くくく、

そんなにあの男が好きか?」


「ええ、」

学園長は一瞬、目線を狼男から外し、幸大の潜む物陰を見た。


「死ぬほど、大好きよ。

好きで、好きで、どうしようもないくらい。



でもね、貴方が終わるのは、貴方が彼を傷つけ、私を怒らすからじゃないわ。


むしろ逆。

私を。

そして、彼の回りの女性を傷つけるならば、彼は全力で貴方を殺すわ。」


「たかが、魔法も満足に使えない人間が、この誇り高き人狼を殺す?

笑わせるな!」

「冗談でそんなことは言わないわ。」


「その馬鹿げた自信はどこからくるんだ?」


「簡単よ。

それは、私が…


そう言えば、私の本名を知らないのかしらね?」

「何?」


「自信の理由はね、

この私が、

オウカ=ファラディスが、彼を愛してるからよ。」

静かに、ハッキリと告げた。

「貴様の名前にも、貴様が誰を好きでも、

死に逝く貴様にも、

興味はない!」


狼男は爪を立て、襲いかかった。
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