魔法学園ユートピア
Don't Move
翌日

学園は大騒ぎだった。


「何かあったのか?」

幸大は掲示板の前で騒いでいる生徒に訊いた。


「アレです!」

生徒が指差した先には何か、新聞記事が貼られていた。

「悪いな、通してくれ。」

幸大が掲示板にたどり着く。


「…。

確かに、騒ぎが起きるわけだ。」

新聞の記事を見た幸大が急いで学園長室に走った。

「学園長!」

「落ち着きなさい。」

学園長室には学園長と石動がいた。

「学園長、この記事。」

幸大の持っている記事には石動の写真。

そして、石動が女だと暴露している文面だった。



「まったく、どこの誰か知らないけど困ったモノだわ。

涼ちゃんはどうするの?」

「僕は…

いえ、私は家に戻ります。」

「それで良いの?」

「はい。

最初からそう言う約束でしたし、実家には今日の朝にはこのことがバレてすぐに帰ってこい、と言われましたから。」


「幸大君はどうするの?」

「俺、ですか?」

「ん〜、正確には涼ちゃんは幸大君に何をしてほしいか、を汲み取りなさい。

ってことね。」

「先生…」

石動が何かを訴えるような目をする。

「…。」

幸大は悩む。

そして、

「家に戻れ。」

「え?」

石動は予想外の答えに愕然とする。

「止めてほしかったか?」

「…。」

「もし、俺が止めても何も変わらないだろ?」


「…そうです。

じゃあ、私、帰る準備をするので…」

石動が学園長室を出る。


「良いの?」

「ええ。

あ、学園長。

石動の退学申請の書類、受理するのは待ってください。」

「仕方ないわね。」
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