マイ・シュガーランド
柘植さんはおかわりまでしてくれて、終始「おいしい」と、言っていた。
「――――さて、なっちゃん。
どうしましょ?」
「・・・はい…」
主語はないけど、“携帯”のことだとすぐに分かった。
「…あの、やっぱり、取りに行きます。
あんなフラれ方したけど、最後にきちんと話がしたい…です。」
「うん、そっか。
その方がいいと思う。
よく決断できたね、偉い偉い。」
柘植さんはわたしの頭を優しく撫でる。
あんな最低なフラれ方したのに、心の片隅にまだ未練がましい気持ちがあって。
会ったらその気持ちがどうなるかわからないし、会わない方がいいのかもしれないけれど・・
前に進むためにきちんと会っておきたいって思った。
柘植さんがいてくれたからできた決断だった。