マイ・シュガーランド




タクシーに乗り、40分ほどで着いたマンション。


数日前までここはわたしの居場所だった。


なのに、すごく懐かしい気分になる。






「なっちゃん
俺、少し離れて待ってようか?
一緒に行った方がいい?」



「・・一人で行きます…
柘植さん、少し待っててください。」



心配する柘植さんに笑顔を向けたけど、自分でも分かるくらいひきつった笑顔だった。



柘植さんはわたしの頭を優しく撫で、背中をポンと押してくれた。




震える足で、ゆっくりマンションの方へ向かう。




一歩、一歩・・











「あれ・・?」



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