マイ・シュガーランド




次の日から柘植さんは本当にハードスケジュールで、ほとんど顔を合わせることがなかった。


帰ってきても少し寝て、またすぐに仕事へ出掛けてしまうので、ゴハンを一緒に食べることも、ゆっくり話す時間もなかった。




それでよかった。

その方がいいと思った。


毎日のように見る柘植さんはテレビ越しで、遠い存在に感じた。



たまにメールのやりとりをすることはあったけれど、それでも遠い存在に変わりはなかった。


柘植さんとメールをすることも一緒に住んでいることも結婚しようとしていることも

すべてが夢の中の出来事に感じてきた。




それでいいんだ。



少しの間、甘えさせてもらって、ちゃんと自立をすればいいんだ。



だから、もう少しだけ・・・




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