マイ・シュガーランド



反対を押しきって勝手に家を出たのはわたしだけど、もしかしたら心配しているかも…と、連絡をした。



しかし、かえってきた返事は全く違うものだった。




なぜ連絡するんだ。

もうお前の家じゃない。

親子ではない。



罵声を浴び、こんな言葉を聞かされたのだ。


わたしが悪いのはわかっているけれど、心のどこがでまだ甘えている部分があった。



そんな甘い思いは簡単に打ち砕かれた。





もうわたしには帰る場所が本当にないのだ。




―――わたしには…
柘植さんしか・・いないんだ。





少しだけ芽生えた恋心は、絶対に知られないようにしなくてはいけない。


これ以上、この気持ちを大きくしてはいけない。


自分の気持ちをセーブするんだ。



そう強く、誓った。


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