マイ・シュガーランド

ちょっとクセのある話し方。

なんとなく、セリフっぽいような、作られたような話し方。

それも職業柄、なのかな。



「恋人も住むとこもなくなっちゃったね。」

「――本当に全部を聞いてたんですね。
信じられない。」

思いきり嫌な顔をして彼を見た。

「悪かったよ。」

全く気持ちのこもってない謝罪。

「ま、いろいろ大変そうだし、面倒みてやろ―か?」

「結構です。」

「今夜、ど―すんの?」

「・・・」

「東京は怖いって事くらいわかるだろ?」

「・・・」

「こんな所に一人でいたら、盛りのついた奴等にヤってくださいって言ってるよ―なもんだよ。」

「―――ヤッ?!」


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