マイ・シュガーランド
驚いて柘植さんを見ると、満面の笑み。
「早めにお風呂はいって今日はゆっくりベットでハグしよ―」
柘植さんはわたしの反応を楽しむように言い、ウキウキしながら部屋を出ていく。
「・・え。
えぇ?!」
一人になった部屋の中で思わず大きな声が出る。
物があまりない部屋では、自分の声が思いのほか響く。
・・・いったい、何を考えてるの…?
ベットで一緒に寝る?
ハグ?
いや、それ以上はしないって…
柘植さんの考えてることがわからない。
わたしのこと、柘植さんはなんでもお見通しなのに・・・
呆然と立ち尽くしていると、シャワーの音が聞こえてきた。
えっと・・
とりあえず…
リビングにある大量の買い物袋を部屋に移動させる。
「…すっごい数・・」
出てくる出てくる…
部屋着に下着に、どこで着るのかドレッシーな服やデート服。
クローゼットに入れていくが、入りきらない。
タンスがないと無理なようだ。
化粧品もこんなに使わないのに…
テーブルの上に並べていくと、マスカラだけで3本もあった。